2011年03月24日

東急リバブル東陽町営業所のアルス東陽町虚偽広告前編:林田力

【PJニュース 2010年8月4日】東急リバブルによるアルス仲介虚偽広告は錦糸町営業所だけで終わらなかった。東急不動産だまし売り裁判では原告の請求通り、東急不動産から原告に売買代金が返還された。アルス301号室の所有権は東急不動産に戻され、アルス301号室は東急リバブル東陽町営業所の専属専任媒介で売りに出された。ところが、その仲介広告にも虚偽があった。

虚偽広告は東急リバブルのウェブページ上で遅くとも2007年12月28日には公開された。ウェブページに加え、不動産流通促進協議会(オープンマーケット)統一様式による広告資料にも虚偽が表示された。これは不動産会社への資料請求でもらえる資料であり、ウェブ広告よりも詳細な情報が記載されている。

東急リバブルの広告表示の誤りは大きく5点ある。

第一に駐車場料金である。実際は月額で機械式駐車場の上段32000円、下段30000円である。しかし、広告では600円、20000円、30000円と不正確な表示を繰り返した。実際よりも安く見せているため、消費者の期待を裏切ることになる。これは錦糸町営業所の虚偽広告と同内容である。東急リバブルは同じ虚偽を繰り返していることになる。

東急リバブル錦糸町営業所と東陽町営業所では営業所が異なる。それにもかかわらず、同じ虚偽内容で広告することが信じ難い。前回の虚偽広告についての反省が営業所間で共有されていないことがうかがえる。そもそも反省していない可能性もある。

逆に事業所が異なるのに同じ虚偽記載となる点は会社ぐるみで虚偽広告のテクニックが共有されていることをうかがわせる。この種の問題が起きると担当者の問題としてトカゲの尻尾切りとなりがちだが、東急リバブルの虚偽広告については一担当者の問題と矮小化できないことが明らかである。

第二に洋室(6畳)の窓の間取り図表示である。東急リバブルのウェブページでは2008年1月4日に新たに外観写真、間取り図、地図、キッチン・リビングの室内写真を追加した。この間取り図の窓に虚偽がある。洋室(6畳)には窓が3箇所ある。そのうちの1箇所が外開き窓で、2箇所が羽目殺し窓(FIX)である。ところが、広告では2点の虚偽がある。

1.実際は窓が3つあるが、広告では当初、2つしか表示しなかった。間取り図では6畳の洋室の西側の壁に窓が2つ設置されている。片開きの外開き窓が一つと羽目殺しの窓が一つである。しかし、実際は羽目殺し窓の北側にもう一つ、羽目殺し窓が設置されている。

2.外開き窓を羽目殺しの窓として表示した。間取り図を修正して窓の数を3つにした後で、何故か外開き窓が羽目殺し窓にデグレードした。

また、修正前の間取り図では壁に対する窓の大きさも実物と比べて小さくなっていた。窓の数の虚偽と合わせると、窓を小さく表示して目立たなくしているように感じられる。
正確な窓の数や形状、大きさは新築分譲時の図面集にも記載されている。東急リバブルは新築分譲時の販売代理であり、知らない筈のない事実である。

一般論としては採光や眺望を可能にする窓の数が多い方が物件の魅力が増す。また、通風を可能にする外開き窓は羽目殺し窓よりも好ましい。窓も大きい方が評価は高い。それにもかかわらず、東急リバブルが仲介広告で窓を隠した理由として、以下の2点が考えられる。

先ず洋室の窓から数10センチ先に建物ができたため、窓が無意味になった。アルス東陽町竣工時は窓から洲崎川緑道公園が眺望できたが、その後すぐに301号室に面する隣接地に作業所が建設され、窓が建物で塞がれる状態になった。
http://www.pjnews.net/news/794/20100801_7
東急不動産(販売代理:東急リバブル)は、この状態になることを把握していたが、新築分譲時には説明しなかった。反対に「二面採光・通風」をセールスポイントとして販売した。引渡し後に真相を知った記者は消費者契約法(不利益事実不告知)に基づき、売買契約を取り消した。今回、アルス301号室が売りに出されたのも、契約取消しによって、東急不動産に返品されたためである。この経緯があるため、東急リバブルが洋室の窓を強調したくないと考えた可能性がある。

次に洋室の窓の結露の問題がある。アルス301号室の洋室の窓では冬場に結露が発生した。窓ガラスの表面や窓枠上部に無数の水滴が付着し、ポタポタと下に垂れ落ちてくる。窓のサッシが水溜りになり、あふれて流れ出てくるくらいであった。窓枠の下にタオルをしき、吸収させるほどであった。

東急リバブルには洋室の窓の数を減らした動機には、なるべく窓に目立たないようにすることで結露の問題にも気づきにくくしたかったためと推測できる。【つづく】
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2010年08月11日

東急コミュニティー解約記 by 林田力

本書はマンションの管理会社を変更し、管理委託費を大幅に削減した事例の記録である。東急不動産が分譲したマンション・アルス東陽町(東京都江東区)では管理会社を独立系の会社に変更した結果、管理委託費を年間約120万円も削減でき、変更から1年後には一般会計の余剰金を修繕積立金会計に繰り入れるまでになった。
http://www.mybookle.com/indiv/bookle/2073
私はアルス301号室の区分所有者であった。物件引渡し後に不利益事実不告知が判明したため、売買契約を取り消し、裁判で売買代金を取り戻した(林田力『東急不動産だまし売り裁判 こうして勝った』ロゴス社、2009年)。売買代金を取り戻すまでは居住しており、管理組合理事長も務め、管理会社変更までの経緯にも関係していた。
http://news.livedoor.com/article/detail/4936890/
http://www.pjnews.net/news/794/20100808_4
東急不動産だまし売り裁判で市民記者から取材
http://news.livedoor.com/article/detail/4939336/
http://www.pjnews.net/news/794/20100810_11
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2010年03月28日

「もめタネ研」で東急不動産だまし売り裁判から住宅政策を検討

「もめごとのタネはまちづくりのタネ研究会」(もめタネ研)が2010年2月5日に2月定例会を東京都世田谷区の三宿まちづくりハウスで開催し、私が東急不動産だまし売り裁判を報告した。もめタネ研は多発する建築紛争について、実例や制度を検討し、まちづくりの視点から問題の所在と解決方法のあり方を考える研究会で、私も入会している。主要な活動は月1回の定例会で、建築紛争事例やまちづくりの動き等の報告を受け、検討している。
東急不動産だまし売り裁判は東急不動産(販売代理:東急リバブル)が不利益事実(隣地建て替えなど)を隠して新築マンションをだまし売りし、購入者である私が消費者契約法により売買契約を取り消し、売買代金を取り戻した事案である。不動産トラブルは現地のイメージがないと理解されにくい面があるため、プロジェクターでマンションの写真や東急不動産が裁判で提出した虚偽の証拠文書などを映しながら説明した。
たとえば東急不動産が提出した図面(乙第1号証)の虚偽である(写真1参照)。この図面には上部に「明るいバルコニーに面した・・・・・・」「ご家族の会話が楽しめる・・・・・・」とのキャッチコピーが書かれている。ここには建て替えられる側(図面の左側)の窓からの日照や眺望の良さが触れられていない。これを根拠として、東急不動産は隣地建て替えで失われる日照や眺望をセールスポイントとしていなかったと主張した。
しかし、実際は販売時に購入者に配布された図面は乙第1号証とは別物であった(写真2参照)。このため、裁判で私は配布された図面を証拠(甲第15号証)として提出し、東急不動産提出証拠の虚偽を主張した。甲第15号証ではキャッチコピーが印刷されていない。従って「セールスポイントとしていなかった」とする東急不動産の主張は成り立たない。
http://tokyufubai.web.fc2.com/livable/livable3.htm
乙第1号証が購入者に配布されたものではないと断言できる決定的な根拠は図面右上の居室番号の誤りである。乙第1号証には以下の2点の誤りがある。
第1に階数と居室番号の非対応である。乙第1号証拠では8階の住戸の「201」「202」「203」というように全ての階の住戸番号が「20」で始まっている。常識的に考えて8階の居室を201号室と名付けることはありえない。
第2にタイプと居室対応の非対応である。実際の204号室が乙第1号証では201号室となっている。
http://www.geocities.jp/shouhishahogo/livable/livable3.htm
これらの決定的な誤りから乙第1号証が購入者に配布された正規の図面ではないことは明らかである。裁判対策のために細工された図面として、原告陳述書(甲第42号証)などで東急不動産の虚偽を厳しく批判した。捏造が見破られる虚偽証拠を提出するという、不誠実さと杜撰さが同居した東急の体質については、同じく東急グループのマンション建設反対運動に携わる参加者からも共通性が指摘された。
今回の報告では施工やマンション管理の問題(関連記事参照)も追加した。私は景住ネット首都圏交流会でも東急不動産だまし売り裁判について報告したが、今回は研究会の趣旨(まちづくりの視点から検討する)を踏まえ、個別被害にとどまらない巨視的な論点の提供に努めたためである。また、私以外の東急リバブル東急不動産の物件購入者のトラブル事例も追加し、東急不動産だまし売り裁判が氷山の一角に過ぎないことを示した。
研究会では分譲マンションそのものについて批判的な意見が提示された。マンションの図面は東急不動産の虚偽証拠の説明のために紹介したが、そもそもこの程度の図面しか購入検討者に渡されないことで十分であるのか問題提起された。ここから一歩進んで分譲マンション購入自体が消費者にとって大きなリスクであり、消費者を必ずしも幸せにするものではないのではないかとの議論に及んだ。
一方で日本の住宅政策は持ち家偏重である。分譲購入者には住宅ローン減税や固定資産税の減免などの優遇策があり、賃貸住宅の選択者には不公平感がある。一方で分譲住宅の購入動機には「家賃は高い」「高齢になると家を借りにくくなる」という消極的な理由が一定の割合を占めており、外的要因で分譲に誘導されてしまっている面がある。このために持ち家偏重を見直し、優良な賃貸住宅という選択肢を検討すべきではないかとの意見が出された。
また、タワーマンションの高層階に住むことがステータスという商業マスメディアの作り出した風潮に対し、心理的・生理的な影響も指摘されている高層階に住むことが幸せなのかという発想を草の根で広めていくべきではないかとも主張された。東急不動産だまし売り裁判から住宅のあり方という本質論に迫った有意義な研究会であった。(林田力)

関連記事:アトラス・渡辺代表 東急物件の構造設計 2007/03/20
http://www.news.janjan.jp/living/0703/0703181916/1.php
東急コミュニティーがマンション管理人を営業活動に“流用” 2007/03/23
http://www.news.janjan.jp/business/0703/0703212123/1.php
東急不動産だまし売り裁判を報告・景観と住環境を考える全国ネットワークで 2009/11/26
http://www.news.janjan.jp/living/0911/0911253617/1.php
posted by 林田力hayariki at 16:07| Comment(0) | TrackBack(46) | 住まい | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする